"コリングス" 。1970年代の創業以来マーチンやギブソンのフラットトップの伝統を受け継ぎながらも、アコースティックギターのサウンドに革命をもたらし、確固たる地位を確立したブランドである。偉大なる創始者であり指導者であったビル・コリングスは2017年7月14日に永眠しました。
そのビルが生前、天才的若手ジャズミュージシャン「ジュリアン・レイジ」に初めて出会ったのは2014年のことでした。二人はそれぞれの思う「クラフト」について深い会話をいくつも交わしまし、以降ジュリアンはギタリストとコリングスに有効なアドバイスや意見を与えることでクオリティーの向上に貢献して来ました。
ビルがこの世を去るまで続いたこのレアなコラボレーションに報いるため、コリングス社は二人の才能を讃えた本機種を発表することを決めました。
「The Julian Lage Signature OM1」です。ネックシェイプはジュリアンの1939年製 Martin 000-18をモデルとしています。彼のOOO-18のネックは、当時の製作法にて手作業で削られサンディングされており、さらに長年弾きこまれたことでネックの先が先細となっていました。コリングスではこのネックを入念に研究をし、このシグネチャーモデルで精密にリメークすることに成功しました。
ヴォイシングはTシリーズの延長として、暖かく丸みがありかつクリスピーなアタック感を実現しています。
1 11/16"nut幅をOOO-18ネックに採用し、フレットボードはオリジナルのショートスケールからジュリアンの希望により25 1/2"へと長くされております。ジュリアンは、トーンとヴィンテージギターの経年によって生まれるメロウなフィニッシュの美しさの両方に重きを置いています。それを再現するために、ヴァーニッシュ塗装をしようすることも考えましたが、理想的な薄い塗装とヴィンテージ感を表現するためにカスタムのサテンフィニッシュを使用することに行き着きました。トーンとルックスを両立したつや消しのニトロセルロースロッカーで、長い年月を経たような安定感を実現しました。
ヘッドロゴはこの数十年コリングスでは見られなかった、手書きの時代のペグヘッドインレイのデザインが採用されています。これはビルがオースティンで小さな工房を30年前に始めた時に手作業でカットしたものを使用しています。私たちのリーダー、ビル・コリングスが彼の最後のプロジェクトであり現在のギタリスト達にとってのパーフェクトなギターを作り上げたことへの敬意を込めて、このインレイを採用しました。
ケースはコリングス自社内で製作されたオリジナルケースです。
当店では通常新品のコリングスギターは展開しておりませんが、ビル・コリングスの遺作とも言えますし、コリングスブランドにとって、またアコースティックギターの歴史においても特別な意味を持つギターだと感じましたので取り扱いすることにしました。
サウンドはギターリスト伊達英夫さんによるデモをご覧ください。
トップ:アディロンダックスプルース
ブレーシング:Custom Traditional Series pre-war scalloped X-brace (no tongue brace)
バック&サイド:ホンジュラスマホガニー
ネック:ホンジュラスマホガニー/カスタムJLシェイプ
接着剤:ニカワ/コンパウンドラジアス
指板:エボニー
ブリッジ:エボニー/2 3/26インチスペーシング
ペグ:ニッケル・ウェバリー
ナット:牛骨/1 11/16インチ
スケール:25 1/2インチ
推奨弦:ダダリオNB1253
販売価格\842,400(税込)
ハードケース付き